家を建てるとき、いちばん気になるのに、いちばん情報が出てこないのが「見積もりの中身」だと思います。総額は語られても、何にいくらかかっているのか、その金額は高いのか安いのか、というところまで踏み込んだ話は、なかなか見つかりません。

そこでこの記事では、参考までに、我が家が実際に受け取った建物本体の見積もり明細(2021年契約・延床およそ34坪)を、工事区分ごとに開きながら、仕様の意味や、相場と比べてどうだったか、お得だった部分・割高だった部分を、できるだけ率直に振り返ってみます。4年前の金額なので「いま同じ家を建てたらいくら」という参考にはなりませんが、見積もりのどこを見ればいいかという読み解き方や、どの仕様にお金がかかるのかという感覚は、今でも役に立つはずです。少し長くなりますが、気になる工事区分だけ目次から飛んで読んでいただいても大丈夫です。

なお、金額は万円単位に丸めた一例で、地域・仕様・延床面積・時期によって大きく変わります。我が家の数字はあくまで「一つの実例」として見ていただき、最終的にはご自身の見積もりで判断してください。

まず総額は「5つの固まり」でできている

家づくりの費用は、建物本体だけではありません。資金計画書を見ると、総額はおおむね次の5つの固まりに分かれていました。

建物費用:建物本体の工事、付帯工事(地盤改良・屋外給排水など)、設計監理費を含む部分。我が家ではここが税込でおよそ2,800万円弱でした。

土地費用:土地の代金と仲介手数料。土地ごとにまったく変わるので、相場比較にはなじみません。

外構費用:駐車場・門柱・植栽など、建物の外まわりの工事。我が家では税込でおよそ370万円ほどでした。

インテリア費用:カーテン・照明・タイル・家具など。我が家ではおよそ100万円規模でした。

諸費用:登記費用、ローン手数料、火災保険料、水道加入金、地鎮祭など。我が家では預り金としておよそ120万円を見込んでいました。

ここで強くお伝えしたいのは、坪単価だけで家の価格を判断しないということです。坪単価は「何を含むか」で印象がまるで変わります。建物本体だけの坪単価なのか、付帯工事や外構・諸費用まで入っているのかで、同じ家でも数字が大きく違って見えます。実際、付帯工事・諸費用・外構などは総額の2〜3割程度を占めることも珍しくないとされます。比べるなら、必ず総額で比べるのが鉄則です。総予算の全体像はマイホーム総予算もあわせてご覧ください。

建物本体は「13の工事区分」でできている

この記事の主役は、建物本体です。我が家の建物本体(税抜でおよそ2,378万円)は、次の13の工事区分に分かれていました。金額は万円単位に丸めた目安、割合は建物本体に占めるおおよその比率です。比率の大きい順に並べ替えると、お金のかかりどころが見えてきます。

据付外装 約976万円(約41%)、屋根 約240万円(約10%)、内部装備 約232万円(約10%)、外部建具 約210万円(約9%)、内装仕上げ 約132万円(約6%)、内部造作 約119万円(約5%)、基礎 約114万円(約5%)、太陽光 約102万円(約4%)、屋内電気 約93万円(約4%)、給排水給湯 約59万円(約2%)、足場・廃材処分 約52万円(約2%)、内部建具 約38万円(約2%)、左官 約9万円(約0.4%)。

こうして並べると、据付外装(構造体+外壁)と屋根という「構造まわり」だけで全体の半分を占め、そこに設備・建具・内装が続く、という構成が見えてきます。鉄骨ユニット工法らしく、構造体の比率が高いのが特徴だと思います。ここからは、これらを5つのグループに分けて、仕様の中身と金額感、相場と比べてのお得・割高を見ていきます。

構造・基礎|鉄骨ユニットと布基礎

建物本体で最大の固まりが、据付外装工事(約976万円)です。この大半が、工場で生産する鉄骨ユニットの構造体で占められています。我が家の明細では、ユニット構造体そのものに加えて、高断熱仕様の追加、1階のワイドスパン(柱の少ない大空間)などが計上されていました。鉄骨ラーメン構造のユニットは、トヨタホームの背骨にあたる部分なので、ここに最もお金がかかるのは納得感があります。

基礎工事は約114万円でした。トヨタホームは布基礎が標準で、鉄骨ユニットを支える部分にしっかり基礎を設ける考え方です。布基礎・ベタ基礎の違いや、なぜトヨタホームが布基礎なのかは基礎と地盤改良の記事で詳しく書いています。ここでお伝えしたいのは、基礎の金額は「軟弱地盤での補強は別途」という前提だということです。我が家の建物本体見積もりとは別に、地盤改良費が付帯工事として計上されていました(資金計画書では地盤改良で約93万円)。土地によってここは大きく変わるので、基礎工事費だけを見て「安い・高い」とは判断できない点に注意が必要です。

同じ「家」を他社で建てたら、価格差は出るか

トヨタホームを検討する方がいちばん知りたいのは、「同じような家を、他のハウスメーカーや工務店で建てたら、価格は変わるのか」というところだと思います。結論から言うと、価格差は出ます。そして、その理由には工法の違いがあります。

まず、そもそも工務店との比較でいうと、地場の工務店の多くは木造が主力で、鉄骨ユニットのような家は基本的に扱っていません。つまり「同じ鉄骨ユニットの家を工務店で」という比較自体が成立しにくく、鉄骨で建てたい時点で、選択肢は鉄骨を得意とする大手メーカーに絞られてきます。木造でよければ工務店のほうが安く建てられることは多いので、ここは「鉄骨を選ぶかどうか」がまず分かれ道になります。

そのうえで、鉄骨系の大手どうしで比べると、トヨタホームは価格を抑えやすいメーカーだとされています。各社の坪単価の目安を見ると、積水ハウスやヘーベルハウス、パナソニックホームズは坪100万円を大きく超える価格帯になることが多いのに対し、トヨタホームは坪90万円前後(主力のシンセシリーズで坪70〜100万円程度)が目安とされ、鉄骨系のなかでは中間〜やや抑えめに位置づけられることが多いようです。同じユニット工法のセキスイハイムとは、近い価格帯とされています。

なぜトヨタホームやセキスイハイムが鉄骨系のなかで抑えやすいかというと、家の8割以上を工場で生産するユニット工法だからとされています。自動車づくりに通じる工場の大量生産でコストと品質を管理しやすく、現場での施工も短期間で済みます。現場で一から組み上げる工法に比べて、人件費や工期のロスを抑えやすいことが、価格差の背景にあると考えられます。我が家の建物本体が税抜で坪70万円台(税込で坪77万円ほど)に収まったのも、この工法のメリットが効いている面があると感じます。

まとめると、検討材料としてはこう整理できます。木造でよければ工務店のほうが安い。鉄骨で建てたいなら、トヨタホームは鉄骨系大手のなかでは価格を抑えやすい部類で、積水ハウスやヘーベルハウスより手が届きやすい一方、間取りの自由度はユニット工法ゆえの制約がある。価格と引き換えに何を得るか(耐震性・工場品質・工期の短さ)に納得できるかが、判断の分かれ目になると思います。

ただし、坪単価は商品・仕様・時期・地域で大きく変わり、各社ともキャンペーンや値引きもあります。最終的には、同じ条件で複数社から見積もりを取って総額で比べるのが確実です。我が家の数字も、あくまで2021年契約の一例として見てください。

お得・割高の見立て

構造体は仕様がほぼ決まっているため、ここを値切るという発想にはなじみません。むしろ、ZEH減額のような値引きを取りこぼさないこと、地盤改良という「別途費用」を最初から予算に見込んでおくことが、後悔を防ぐポイントだと感じます。鉄骨という選択自体に納得できているなら、価格的には妥当〜割安な部類だと考えています。

外装・屋根|タイル外壁と防災瓦

据付外装工事のうち、外壁まわりも見ておきます。我が家の外壁は、サイディングを基本に、一部にタイル(寂雅楽)を使う仕様でした。明細では、外壁パネル、タイルの差額、化粧胴差(スクエアボーダー)などが計上されていました。タイルは初期費用は上がりますが、塗り替えの頻度を抑えやすく、長期のメンテナンス費で見ると差が縮まる、という考え方もあります。外壁を全面タイルにするか、一部アクセントにとどめるかは、初期費用とメンテナンスのバランスで決めるとよさそうです。

屋根工事は約240万円で、建物本体の約10%を占めました。我が家は防災瓦(スーパートライ110スマート)を採用しています。瓦はスレートやガルバリウム鋼板に比べて初期費用は高めですが、耐久性が高く、塗り替えが基本的に不要とされるため、長い目で見たメンテナンス費を抑えやすいのが利点です。我が家の明細でも、屋根材本体に加えて、雪止め金具や軒樋などが個別に計上されていました。

同じ外壁・屋根を他社で選んだら、価格差は出るか

外壁と屋根は、各ハウスメーカーが力を入れて差別化している部分なので、同じ「タイル外壁+瓦屋根」風の仕様でも、メーカーによって中身と価格はかなり変わります。

外壁でいうと、各社それぞれ看板の外壁材を持っています。たとえば積水ハウスのダインコンクリート、パナソニックホームズのキラテック(光触媒タイル)、ヘーベルハウスのALC(軽量気泡コンクリート)などです。これらは高級感や、汚れにくさ・メンテナンス性で評価される一方、その分、外壁にお金がかかり、坪単価を押し上げる要因にもなります。我が家はサイディングを基本に一部タイルという構成で、外壁にフルでコストを振ったわけではありません。外壁の質感に強くこだわるなら、タイルやコンクリート系外壁を標準にできる他社のほうが満足度が高い可能性があり、その場合は価格も上がります。逆に、外壁はほどほどでよければ、トヨタホームの構成はバランスの取れた選択だと感じます。

屋根の瓦は、メーカーによる価格差というより、選ぶ屋根材による差が大きい部分です。これはトヨタホームでも他社でも共通で、瓦・スレート・ガルバリウム鋼板のどれを選ぶかで、屋根工事費は大きく動きます。一般的な相場では、スレートが1平米あたりおよそ6,000〜8,000円、ガルバリウム鋼板が7,000〜12,000円、瓦はこれらより高めとされます。戸建ての屋根面積はおおむね80〜120平米なので、瓦はスレートに比べて屋根全体で数十万円高くなる計算です。我が家の屋根工事が約240万円と建物本体の1割を占めたのも、防災瓦を選んだことが効いています。これは「トヨタホームだから高い」のではなく、瓦を選べばどこで建てても高くなる、という性質のものです。

検討材料としては、外壁・屋根は「メーカーの標準仕様に何が含まれるか」で実質的な価格が変わる、と捉えるとよいと思います。タイル外壁が標準のメーカーなら割安に高級外壁が手に入りますし、サイディング標準のメーカーでタイルを足せば差額がかかります。各社のカタログで「標準でどこまで入るか」を見比べると、同じ見た目の家でも価格差の理由が見えてきます。

お得・割高の見立て

タイル外壁も瓦屋根も、初期費用は「割高」に見えますが、いずれもメンテナンス費の先払いという性格があります。瓦は塗り替えが基本的に不要で耐久性も高く50年級ともいわれ、スレートは初期費用こそ安いものの寿命がおよそ20年とされ定期的な塗装や葺き替えが必要です。30年・40年と住む前提なら、トータルでは差が縮まる、あるいは逆転する可能性もあります。初期費用を抑えたいなら、サイディング+スレートという選択でこの区分は大きく圧縮できます。ここは「どこにお金の重心を置くか」が分かれる部分です。

住宅設備|リシェルSI・アライズ・ピアラ

読者の関心がいちばん高いであろう、内部装備工事(約232万円)です。キッチン・浴室・洗面・トイレといった住宅設備がここに含まれます。我が家の主な仕様を、相場感とあわせて見ていきます。

キッチン:LIXIL リシェルSI(セラミック天板)

リシェルSIはLIXILの最上位グレードで、セラミックトップが看板の商品です。我が家の明細では、キッチン本体に加えて、セラミック天板、ガラストップコンロ、タッチレス水栓、撥油グレードのキッチンパネルなどが積み上がっていました。相場として、リシェルSIは定価ベースで本体100万円を超えることが多く、セラミック天板は人造大理石より14万〜20万円ほど高い、という情報もあります。一般的なシステムキッチンの価格帯(標準グレードで50〜100万円ほど)と比べると、明確に上位に位置します。リシェルSIの使い勝手はキッチンの記事でも触れています。

浴室:1618 Lアライズ

1618サイズ(1.25坪相当)のユニットバスです。我が家の明細では、本体に加えて、クランクレス水栓やエコアクアシャワーなどが計上されていました。1618は一般的な1616より一回り広いサイズで、ゆったり使えるぶん費用も上がります。浴室サイズの考え方は浴室の記事にまとめています。

洗面:LIXIL ピアラ(ミドルグレード)

洗面台はピアラのミドルグレードでした。洗面は、グレードによる価格差が比較的出にくく、コストを抑えやすい設備だと感じます。我が家もここは標準的な選択で、費用を抑えられた部分です。

トイレ:一体型シャワートイレ+手洗い器

一体型のシャワートイレに、独立した手洗い器を組み合わせていました。手洗い器を別に設けると、その分の費用と配管が増えます。

同じ設備でも「どこで入れるか」で価格が変わる

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいポイントかもしれません。同じリシェルSIでも、入れるルートによって最終的な価格はかなり変わります。住宅設備の金額は、定価そのものより「割引率(掛け率)」で決まるからです。

一般に、住宅設備の割引率は、その会社がそのメーカーから年間どれだけ仕入れているかに左右されるとされます。リフォーム業界でも、年間の取扱台数が多い会社ほど、商社から優遇された掛け率で仕入れられる、と言われています。この点で有利なのが、建築戸数の多い大手ハウスメーカーです。取り扱うメーカーやモデルを標準仕様に絞り込んで、大量に発注することで、スケールメリット(大量発注による割安効果)が効きやすくなります。トヨタホームのような規模の大きいメーカーで、標準やオプションとして用意されている設備は、こうした効果で、個人が小規模な業者経由で単独購入するよりも割安に入っているケースがある、というわけです。

参考までに、我が家のリシェルSIも、トヨタホームの選択肢のなかで選んだことで、最上位グレードのわりには取り入れやすかったという実感があります。「リシェルSIは高いグレードだけど、規模の大きいメーカー経由だと、思ったより手が届く価格で入る」という感覚は、たしかにありました。

ただし、これは「大手ハウスメーカーなら必ず最安」という意味ではないので、そこは正直にお伝えしておきます。ハウスメーカーは設備本体が割安でも、諸経費が別途乗るため、設備単体の最安値だけならリフォーム専門店のほうが安いこともあるとされます。あくまで「最上位グレードの設備を、単独購入よりは割安に取り入れやすい場合がある」という程度に捉えるのが正確です。気になる設備があるなら、ハウスメーカーの標準・オプション価格と、リフォーム店での見積もりを一度見比べてみると、その差が見えてくると思います。

グレード選びで価格がどう変わるか

設備は、選んだグレードで「相場より上か下か」がはっきり分かれます。キッチンのリシェルSIと浴室の1618は、グレード・サイズともに上位で、相場で言えば明確に「お金をかけた側」です。一方で、洗面のピアラ(ミドルグレード)は中間で、無理に上げていません。トイレも一体型に手洗い器を足した構成で、突出して高い選択ではありません。

設備全体で見ると、キッチンと浴室に重心を置き、洗面・トイレは標準〜中間で締める、というメリハリのある配分になっていました。我が家の内部装備が約232万円(建物本体の1割)に収まっているのは、すべてを最上位にしなかったからだと思います。

お得・割高の見立て

我が家の場合、キッチン(リシェルSI・セラミック)と浴室(1618)は、グレード・サイズともに上げているので、相場的にははっきり費用をかけた部分です。ただ、前述のとおり、最上位グレードを規模の大きいメーカー経由で割安に取り入れられた面もあり、「割高」というより「価値を感じて選んだ贅沢を、比較的お得に入れられた」と捉えています。逆に、洗面(ピアラ・ミドル)は手堅い選択で、ここで無理にグレードを上げなかったのは、振り返ると良いバランスでした。設備は「全部を上げる」と一気に膨らむので、毎日いちばん長く使う場所(我が家はキッチン)に重心を置き、それ以外は標準〜ミドルで締める、というメリハリが効くと感じます。

建具・窓|玄関ドア・サッシ・シャッター

外部建具工事は約210万円で、建物本体の約9%を占めました。意外と大きい区分です。内訳は、玄関ドア、窓サッシ、網戸、シャッターなどです。

窓は、すべて高性能断熱の複層ガラス(一部は空気層やガス入り)で、断熱を意識した仕様でした。窓の性能は、家の断熱・結露に直結する重要な部分なので、ここにお金がかかるのは納得です。我が家の明細では、掃き出し窓や見晴らし窓など、サイズごとに1枚ずつ単価が計上されていました。電動シャッターも2か所入れており、これは利便性と防犯・防災のための費用です。

内部建具工事(約38万円)は、室内ドアなどで、建物本体に占める割合は小さめでした。室内ドアはグレードによる差が出やすい部分ですが、我が家はプレーンな仕様中心で抑えています。

同じ窓・建具を他社で選んだら、価格差は出るか

窓やサッシは、実はメーカーによる価格差が比較的出にくい部分です。理由は、窓サッシそのものを各ハウスメーカーが自社製造しているわけではなく、YKK APやLIXILといった建材メーカーの製品を、各社が採用しているからです。同じグレードのサッシ・ガラスなら、どのメーカーで建てても中身は近く、価格も大きくは変わりません。差が出るとすれば、「標準でどのグレードの窓が入るか」です。断熱グレードの高い窓を標準にしているメーカーなら、追加費用なしで高性能の窓が手に入りますし、標準が下のグレードなら、上げるための差額がかかります。

我が家の場合、窓はすべて高性能の断熱複層ガラス(一部は空気層やガス入り)で、外部建具が建物本体の約9%(約210万円)と大きめでした。これは「窓の性能にお金をかけた結果」であって、トヨタホームだから特別に高い、というわけではありません。同じ断熱グレードの窓を他社で選んでも、同じように費用はかかります。逆に言えば、ここは断熱性能を下げれば圧縮できる部分でもありますが、後述のとおり、窓は削らないほうがいい部分だと考えています。

玄関ドアや室内ドアも同様で、建材メーカーの製品を採用するケースが多く、グレードによる価格差はあっても、メーカーによる差は比較的小さい部分です。我が家の内部建具(約38万円)は、室内ドアをプレーンな仕様中心にしているため、相場的にはむしろ抑えた側です。室内ドアは1枚ごとのグレードで積み上がるので、ここを上げ始めると意外に膨らみますが、これもどこで建てても同じ傾向です。

検討材料としては、窓まわりは「メーカーの標準でどこまでの断熱グレードが入るか」を確認するのがポイントです。各社の標準仕様の窓のグレード(複層か、Low-Eか、樹脂サッシかアルミ樹脂複合かなど)を見比べると、同じ見た目でも断熱性能と価格の違いが見えてきます。

お得・割高の見立て

窓は「削らないほうがいい」代表格だと思います。断熱・結露・冷暖房効率に長く効くので、ここをケチると住んでから後悔しやすい部分です。我が家が窓にかけた費用は、相場より高めではあっても、住み心地への投資として納得しています。一方、電動シャッターや室内ドアのグレードは、利便性・見た目の好みで調整できる部分なので、予算が厳しいときに見直す候補になります。

電気・太陽光・給排水

屋内電気工事は約93万円でした。スイッチ・コンセント、照明配線、換気(ピュア24セントラル関連)、分電盤などが含まれます。明細を見ると、コンセント1か所、スイッチ1か所まで単価で積み上がっていて、数が増えるほど費用も上がる構造です。コンセントを多めに付けたい場合、ここが膨らむ要因になります。とはいえ、コンセントの後付けは費用も手間もかかるので、新築時に必要な場所へ十分に付けておくのは、私はお金をかける価値があると感じています。電気配線の考え方は電気配線・コンセント計画の記事もご覧ください。

太陽光発電は約102万円で、ブラックソーラーを3面に載せ、合計でおよそ4.4kWのシステムでした。明細では、パネルがkW(出力)ごとに計上され、「セット割引」のマイナスも入っていました。太陽光は初期費用がかかりますが、自家消費と売電で回収していく設備なので、回収の考え方は太陽光は元が取れるかの記事で詳しく触れています。

給排水給湯設備工事は約59万円で、屋内の配管とガス給湯器(エコジョーズ・24号・追い焚き自動)が含まれます。注意したいのは、屋外の給排水工事や水道引込は、この建物本体には含まれず「別途」だったことです。前述の地盤改良と同じく、本体価格だけ見ていると見落としやすい部分です。

同じ電気・太陽光を他社で入れたら、価格差は出るか

電気工事は、メーカーによる価格差というより「付ける数しだい」で決まる部分です。コンセントやスイッチが1か所いくらで積み上がる仕組みは、ハウスメーカーでも工務店でも基本的に同じで、付ける数が多ければ高くなり、少なければ安くなります。我が家の約93万円は、必要な場所にしっかり付けた結果で、過不足のない範囲だったと思います。単価そのものは各社で大きな差は出にくいので、ここで価格を抑えたいなら、メーカー選びより「本当に必要な数に絞る」ことのほうが効きます。

太陽光発電は、設備章で触れたキッチンと同じく、大量発注の効果が出やすい分野です。太陽光パネルや給湯器、蓄電池といった設備は、定価から5割以上の大幅な割引が適用されることもあるとされ、施工実績の多い大手ハウスメーカーは、こうした設備をまとめて仕入れることで割安に提供しやすい傾向があります。我が家の太陽光は約4.4kWで約102万円、kW単価でならすとおよそ23万円/kWほどで、「セット割引」も効いていました。これは、後から専門業者に単独で頼むのと比べても、取り入れやすい価格だったといえます。ただし、設備本体が割安でも、ハウスメーカーは諸経費が別途乗るため、設備単体の最安値なら専門業者のほうが安いこともある、という点は設備章と同じです。

給排水給湯(約59万円)は、ガス給湯器(エコジョーズ)と屋内配管が中心で、ここも特別に各社で差が出る部分ではありません。むしろ注意したいのは、屋外の給排水工事や水道引込が、この建物本体には含まれず「別途」だったことです。これはトヨタホームに限らず、多くのハウスメーカーで本体価格と分けて計上される費用なので、各社の見積もりを比べるときは「屋外給排水・水道引込が本体に入っているか別途か」を必ず確認すると、見かけの安さに惑わされずに済みます。

お得・割高の見立て

電気は「数で積み上がる」ので、必要な分はかけつつ、設備用の無駄なコンセントが重複していないかは確認したいところです。太陽光は、セット割引と大量発注の効果が効いて単独設置より取り入れやすく、相場的にはお得側だったと感じます。給排水は、屋外分が別途になる点を最初から予算に見込んでおくのが、後悔を防ぐコツです。

内装・その他|床・壁紙・造作・足場

内装仕上げ工事は約132万円でした。床材(シートフロア中心、一部フローリング)、壁紙クロス、アクセントのタイル(寂雅楽)などです。床や壁紙はグレードによる差が出やすい部分で、我が家はシートフロアを基本にしつつ、一部にアクセントを入れる構成でした。全室を高級フローリングにすると、ここは大きく膨らみます。

内部造作工事は約119万円で、間仕切り壁、階段、家具転倒防止の下地補強などが含まれます。階段は形状(我が家はL型)によって費用が変わる部分です。下地補強は、後から棚や手すりを付けるときに効いてくるので、必要な場所に入れておくと安心です。

左官工事(約9万円・玄関タイルなど)と、足場・廃材処分(約52万円)は、どの家でも必要になる工事です。足場や廃材処分は「選べない固定費」に近く、削るのが難しい部分です。

同じ内装を他社・工務店でやったら、価格差は出るか

内装は、メーカーによる価格差が比較的出にくく、むしろ「何を選ぶか」で金額が動く部分です。床材も壁紙クロスも、各ハウスメーカーが自社製造しているわけではなく、建材メーカーの製品から選ぶ形が一般的です。そのため、同じグレードの床・クロスなら、トヨタホームでも他社でも工務店でも、材料費の水準は大きくは変わりません。差が出るのは、選ぶグレードと面積です。我が家は床をシートフロア中心にして、一部だけアクセントタイルやフローリングを使う構成にしました。床を全室、無垢や高級フローリングにすると、ここは数十万円単位で上がります。クロスも量産品の標準クロスを基本にしているので、内装仕上げが約132万円(建物本体の約6%)に収まっているのは、素材を上げすぎなかった結果です。相場的には「標準的〜やや抑えた側」だと思います。

むしろ、内装で各社の差が出やすいのは、自由度のほうです。工務店や木造の注文住宅は、内装の素材や造作を自由に選びやすい一方、ユニット工法のトヨタホームは、構造上の制約から、選べる範囲がある程度決まっている部分があります。凝った造作や、特殊な素材を隅々まで使いたいなら工務店のほうが融通が利くことが多く、その代わり手間と費用もかかります。逆に、標準的な内装で十分なら、メーカーの標準仕様から選ぶほうが、価格も読みやすく手間も少ない、という整理になります。

内部造作(約119万円)や足場・廃材処分(約52万円)、左官(約9万円)は、家の規模に応じてかかる、いわば必要経費に近い部分です。とくに足場・廃材処分は、どのメーカー・工務店で建てても必ずかかる固定費に近く、ここで各社が大きく差をつけられる性質のものではありません。見積もりを比べるときは、こうした固定費的な項目ではなく、グレードを選べる内装材や設備で差を見るのが現実的です。

お得・割高の見立て

内装は、床・壁紙のグレードと面積で素直に金額が動くので、コストを調整しやすい区分です。こだわりたい部屋だけアクセントを入れて、他は標準で締めると、満足度を保ちながら費用を抑えられます。我が家もこの方針で、相場的には抑えられた部分です。足場・廃材処分のような固定費は、ここを削ろうとせず、調整は内装やオプションで行うのが現実的です。

振り返って|どこにお金をかけ、どこを抑えたか

あらためて全体を見渡すと、我が家がお金をかけたのは、長く使う構造まわり(瓦・タイル)と、毎日使うキッチン(リシェルSI)、そして断熱に効く窓でした。逆に、洗面や室内ドア、床材は標準〜ミドルで締めています。振り返っても、このメリハリ自体は悪くなかったと思います。

一方で、反省というか、これから建てる方に伝えたいのは、「本体に含まれない別途費用」を最初から見込んでおくことの大切さです。地盤改良、屋外給排水、水道引込、外構は、建物本体の見積もりには入っていませんでした。本体価格だけ見て安心していると、これらが積み上がって総額が一気に膨らみます。我が家も、これらを含めた総額で見ると、本体価格の印象とはだいぶ違う数字になりました。

最後に、いちばん大事な前提です。これは2021年契約時の金額です。2021年ごろのウッドショックをきっかけに、木材だけでなく鉄骨・コンクリート・断熱材・外壁材など、建築資材が幅広く値上がりしました。建築資材は全体で2〜3割ほど上昇したともいわれ、その後も人件費の上昇などで建築費は高止まり、あるいは上昇が続いているとされています。国の統計をもとにした各社の解説では、木造一戸建ての坪単価は2025年時点で全国平均およそ82万円とされ、ハウスメーカーでは坪100万円前後が一つの目安になりつつあるという見方もあります。鉄骨系はこれより高くなる傾向です。

つまり、当時の金額をそのまま今に当てはめることはできません。この記事の数字は「割合」や「どこにお金がかかるか」の考え方として参考にしていただき、実額は必ず最新の見積もりで確認してください。見積もりを読むときは、(1)「一式」の中身を開く、(2)標準・オプション・値引きの境目を見る、(3)本体に含まれない費用を確認する、の3点を意識すると、後悔がぐっと減ると思います。契約後の増額については契約後の増額に気を付けてもあわせてご覧ください。


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