家づくりで意外と見落とされがちなのが、足元の「基礎」と「地盤」です。完成すると見えなくなる部分ですが、家を支える土台であり、土地によっては思わぬ費用がかかることもあります。参考までに、我が家もトヨタホームで建てる際に地盤調査を行い、その結果に応じた対応をしてもらいました。基礎の種類から、トヨタホームが採用している基礎の特徴、地盤改良の費用の目安や保証まで、住んでみての感覚も交えてまとめます。

基礎には「ベタ基礎」と「布基礎」がある

住宅の基礎には、大きく分けて「ベタ基礎」と「布基礎(ぬのきそ)」があります。ベタ基礎は建物の底面全体を鉄筋コンクリートの板(スラブ)で支える方式で、布基礎は建物の壁の下に沿って、逆T字型の帯状のコンクリートを巡らせて支える方式です。

ベタ基礎は、面で建物を受け止めるため荷重が一点に集中しにくく、地盤の一部だけが沈む「不同沈下」に強いとされます。床下全体がコンクリートでふさがれるので、地面からの湿気やシロアリが上がりにくいのも利点です。一方、布基礎は、地中に深く入って建物を支えるため、点(線)で深く支える強さがあり、使うコンクリートが少ないぶん基礎自体は軽くなります。近年の木造戸建てではベタ基礎が主流ですが、どちらが優れているという単純な話ではなく、建物の重さや地盤との相性で向き不向きが変わります。

基礎は完成後に手を入れにくい部分で、シロアリ・湿気・不同沈下といった「あとから困りやすいこと」に関わります。どんな基礎で建てるのかは、契約前に確認しておくと安心です。

トヨタホームの基礎は「布基礎」が標準

ここで意外に思われるかもしれませんが、参考までに、我が家のトヨタホームの基礎は布基礎です。世間では「ベタ基礎のほうが新しくて安心」というイメージが先行しがちなので、最初は少し戸惑う方もいるかもしれません。実際、トヨタホームは布基礎が標準仕様で、ベタ基礎はオプション扱いになります。これはトヨタホームに限らず、積水ハウスやヘーベルハウスなど、鉄骨系のハウスメーカーに共通して見られる傾向のようです。

なぜ鉄骨系で布基礎が多いのか。理由として一般的に言われているのは、鉄骨造は木造より建物が重いため、床下全面をコンクリートで覆うベタ基礎にすると基礎自体の重量も加わり、地盤への負担が大きくなりやすいという点です。布基礎にして家全体の重さを抑えることで、地盤への負担を減らす狙いがあるとされます。また、トヨタホームの構造体は鉄骨で、床下に木材が露出しないため、木造ほどシロアリの被害を心配する必要がなく、床下全面をコンクリートで覆う必要性も相対的に低い、という考え方のようです。

湿気の面でも工夫があります。トヨタホームの基礎は、基礎と建物(ユニット)の間にすき間を設けて、外周全体で床下を換気する仕組みになっているとされます。さらに、ユニットを載せる部分にしか基礎がなく、床下が仕切りの少ない一つの空間になっているため、風が通りやすく湿気がたまりにくい、という特徴があるようです。参考までに、我が家でも入居後に床下をのぞいてみたことがありますが、湿気がこもっているような感じはありませんでした。床下の地面には防湿シートが敷かれるのが標準で、より安心したい場合はオプションで防湿コンクリートを追加できる、という選択肢もあります。

なお、布基礎だから湿気やシロアリの心配がゼロというわけではありません。コンクリートのすき間から虫が入ることはありますし、定期的な床下点検は布基礎・ベタ基礎を問わず大切です。「布基礎=古い・弱い」というより、建物の構造や重さに合わせて選ばれている、と理解しておくとよいと思います。

地盤調査でわかること、改良が必要かどうか

 

基礎の方式と並んで大切なのが、その下の地盤です。家を建てる前には、その土地が建物の重さを安全に支えられるかを確かめる地盤調査を行います。戸建てで最も普及しているのは、かつて「スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)」と呼ばれていた方法で、2020年のJIS改正で「スクリューウエイト貫入試験」へ名称が変更されました。先端がスクリュー状のロッドに重りをかけて地面にねじ込み、沈み方から地盤の硬さ(地耐力)を測る調査です。

調査費用は方法によりますが、目安として5万〜30万円ほどとされます。もっと精密に調べる必要がある場合は、土を採取して詳しく分析するボーリング調査を行うこともあります。

この調査で地盤が軟らかいと判断されると、建物が不均一に沈む不同沈下を防ぐために地盤改良が必要になります。地耐力が一定の基準を下回る場合に改良を検討する、というのが一般的な考え方です。逆に、もともと硬い地盤であれば改良が不要なこともあり、こればかりは調べてみないと分かりません。トヨタホームは60年の長期保証を掲げていることもあり、地盤については改良が必要かどうかを厳しく見極めて対処する、という話も聞きます。

地盤改良の工法と費用の目安

地盤改良の工法は土地の状態によって選ばれ、費用も工法と敷地条件で大きく変わります。30坪程度を例にした一般的な目安は次のとおりですが、地盤の深さや搬入のしやすさで増減するため、あくまで参考の幅として捉えてください(最新の相場は見積りで確認するのが確実です)。

表層改良:地表に近い軟らかい層(おおむね2mほどまで)をセメント系の材料で固める工法で、20万〜70万円ほどが目安とされます。比較的浅い地盤向けで、費用は抑えやすい方法です。参考までに、我が家はこの表層改良で対応してもらいました。

柱状改良:地中にセメント系の柱状の改良体をつくって支える工法で、50万〜100万円程度(条件により40万〜120万円ほど)が目安とされます。戸建てで採用されることが多い方法です。

鋼管杭(こうかんぐい):鋼の管を硬い層まで打ち込んで支える工法で、深い地盤に対応できるぶん、100万〜200万円ほどかかることもあるとされます。元田んぼ・埋立地など軟弱な土地では、全体で150万〜200万円規模になるケースもあります。

どの工法になるかは地盤次第で、こちらで選べるものではありません。だからこそ、土地を決める前に「改良が必要かもしれない」と身構えておくことが大切です。

地盤改良費は、土地選びの段階で予算に見込んでおく

注意したいのは、地盤改良の費用は地盤調査をしてみないと正確には分からないという点です。土地を契約した時点では改良の要否や金額が確定していないことも多く、あとから数十万円〜百万円単位の費用が上乗せされる可能性があります。これは契約後に予算が膨らむ典型的な原因のひとつです。

土地を選ぶ段階で「改良が必要になるかもしれない」という前提で、予算に少し余裕を持たせておくと安心だと思います。可能であれば、土地の購入前に、その土地やご近所の地盤データ(自治体や地盤情報のサービスで公開されていることがあります)をざっと見ておくと、改良の可能性をある程度予想できます。確実ではありませんが、「軟弱地盤が多いエリアかどうか」を知っておくだけでも、心構えと予算の立て方が変わってきます。契約後の増額については契約後の増額に気を付けてもあわせてご覧ください。

地盤改良には「保証」がつくことが多い

地盤調査をして、その結果に基づいて適切に施工した場合、多くは「地盤保証」がつきます。これは、万が一、不同沈下などの地盤に起因する不具合が起きたときに、一定の範囲で補修などの対応が受けられる仕組みで、期間は10年程度とされることが多いです。

保証の条件や範囲は会社・保証機関によって変わるので、調査・改良を任せる際には、どんな保証がつくのか、何が対象になるのかを確認しておくと安心です。見えない部分だからこそ、調査・施工・保証がセットで適切に行われているかを把握しておきたいところです。

見えない部分こそ、説明を受けて納得して進める

まとめると、トヨタホームの基礎は鉄骨ユニット工法に合わせた布基礎が標準で、床下の通気やシロアリの面では、構造の特徴を活かした考え方がとられています。世間のイメージで「ベタ基礎でないと不安」と感じる方もいるかもしれませんが、なぜその基礎なのかを説明してもらうと、納得して進めやすくなると思います。一方、地盤改良は土地しだいで必要になり、費用も大きく変わります。

参考までに、我が家も足元の対応は契約前にきちんと確認しておいてよかったと感じています。見えなくなる部分だからこそ、基礎の考え方と地盤調査の結果はしっかり説明を受け、改良が必要な場合はその費用も含めて総予算で考えておくのがよいと思います。家は土台が基本なので、目立たない部分ですが、ここを納得して進めることが、長く安心して住むことにつながります。総予算の考え方はマイホーム総予算の記事も参考にしてみてください。


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