24時間換気システム リアルレビュー
今の住宅には、24時間換気システムが備わっています。空気をきれいに保ってくれる大切な設備ですが、ふだんはあまり意識されない、いわば「縁の下の力持ち」のような存在です。参考までに、我が家で使っているトヨタホームの「ピュア24セントラル」について、仕組みや実際の使い勝手、住んでみて感じた手入れの手間や反省点を、率直にまとめてみます。これからトヨタホームで建てる方や、換気システムの違いが気になる方の参考になればと思います。
~この記事の内容~
まずは換気方式のおさらい
ピュア24セントラルの話に入る前に、住宅の24時間換気の方式を簡単におさらいしておきます。換気は、給気(外の空気を取り込む)と排気(室内の空気を出す)を、機械で行うか自然に任せるかの組み合わせで、第1種から第3種に分かれます。違いがわかると、各社の換気システムを比べるときの目安になります。
第1種換気
第1種換気は、給気と排気の両方を機械(ファン)で行う方式です。空気の流れをコントロールしやすく、給気側にフィルターを通して花粉やほこりを抑えやすいのが利点です。さらに「全熱交換型」と呼ばれるタイプでは、捨てる空気の熱や湿気を、取り込む空気に移してから給気するため、冷暖房の効率を保ちやすいとされています。一方で、設備や設置のコストが高めで、フィルターなどの手入れの手間がかかるのがデメリットです。
第2種換気
第2種換気は、給気を機械で行い、排気は自然に任せる方式です。室内の気圧が外より高くなるため、外の汚れた空気が入りにくいのが特徴で、手術室やクリーンルームなどで使われます。住宅で採用されることはあまり多くありません。
第3種換気
第3種換気は、排気だけを機械で行い、給気は各部屋の給気口から自然に取り込む方式です。設備がシンプルでコストを抑えやすく、手入れもしやすいのが利点です。住宅で広く使われている方式ですが、冬は給気口から冷たい外気がそのまま入ってくるため、給気口の近くは寒く感じやすい、という面があります。
トヨタホームの場合、第1種換気の「ピュア24セントラル」と、第3種換気の「ピュア24」が用意されていて、どちらかを選ぶ形になります。ここからは、我が家が使っている第1種の「ピュア24セントラル」について詳しく見ていきます。
ピュア24セントラルとは
前述のとおり、ピュア24セントラルは第1種換気にあたり、なかでも「全熱交換型」の仕組みを備えています。冬に冷たい外気をそのまま取り込むのではなく、室内の暖かさをある程度移してから給気できるため、冷暖房の効率を保ちやすいとされています。メーカーの公称値では、熱交換率はおよそ82%とされています。
トヨタホームの場合、本体(全熱交換器)は1階と2階にそれぞれ1台ずつ、合計2台設置されることが多いです。天井裏にダクトを通して各部屋に新鮮な空気を送り、部屋や廊下を通って戻ってきた空気を本体が回収して屋外に排出します。この流れで、2時間に1回、家中の空気を入れ替える計算になります。参考までに、我が家でも本体が天井に2か所あり、その周辺は天井が少し下がった造りになっています。
なお、トヨタホームで全館空調「スマート・エアーズ」を採用する場合は、基本的にこのピュア24セントラルがセットになります。ただ、我が家は全館空調は採用しておらず、換気としてピュア24セントラル(第1種)を使っています。全館空調なしでも第1種換気を選べる、という一例として読んでいただければと思います。
24時間換気は止めずに動かし続けるのが基本
前提として、24時間換気は、家全体の空気を計画的に入れ替えるための設備で、現在の住宅では設置が義務づけられています(2003年の改正建築基準法による)。基本的には止めずに動かし続けるものです。電気代がもったいない気がして切りたくなることもありますが、空気のよどみや湿気、におい、建材などから出る成分を排出する役割があるので、つけっぱなしが前提になります。
とくに、今の住宅は気密性が高いため、窓を開けない時期でも計画的に空気が入れ替わるこの仕組みが、きちんと働いていることが大切になります。ピュア24セントラルのような第1種・熱交換型は、換気による熱のロスを抑えやすいので、つけっぱなしでも冷暖房への影響を比較的小さくできる、という考え方の設備です。
使ってみて感じた、よかったところ
住んでみて実感しているのは、家の中の空気のクリーンさです。計画的に換気され、外気はフィルターを通して取り込まれるので、窓を開けなくても空気がこもりにくいと感じます。
窓を開ける必要がほとんどなく、換気フィルターを通した空気が家の中に供給されるので、虫はほとんど見かけませんし、花粉や黄砂を感じることもありません。
実は、私は花粉症持ちなのですが、家の中で過ごしているかぎりは、アレルギーの症状がほとんど出ません。
ただ当然、良くも悪くも気流を感じるほどの換気の勢いはないので、気持ちの良い季節に窓を開けたような爽快感はありません。
そういう目的の商品ではないと割り切り、計画的に少しずつ空気を入れ替える設備という役割を理解したうえで付き合うのがよさそうです。
反省点:本体の位置で脱衣所が寒い
住んでみて、正直に「ここは考えが足りなかったかも」と感じているのが、換気の本体の設置位置です。参考までに、我が家は脱衣所に本体があり、冬になるとこの脱衣所がひんやりと寒く感じます。服を脱ぐ場所なので、冷たさは想像以上に応えます。
なぜ寒くなるのか、住んでみて理由が見えてきました。いくつかの条件が重なっているようです。
まず、本体が空気を排気しているため、脱衣所の中の気圧がまわりの部屋より少し低くなります。気圧が低いと、まわりから空気が流れ込んでくる状態になります。さらに、我が家は分電盤も脱衣所にあるのですが、分電盤まわりは気密がされていないため、ここから外気が入り込みやすくなっています。結果として、気圧の低い脱衣所に向かって、分電盤から冷たい外気が引き込まれる流れができてしまっているようです。そして、その空気の通り道が、ちょうど体に当たる位置を通っていくため、冬は実際の気温以上に寒く感じる、というわけです。
ここからお伝えしたいのは、換気の本体や、分電盤のような気密の弱い設備の「位置」は、その場所で何をするかとあわせて考えるべきだった、ということです。とくに、脱衣所のように肌を出す場所には、排気で負圧になる本体や、すき間風の出やすい設備を近づけないほうが無難だと思います。設備は「付けるかどうか」だけでなく「どこに付けるか」も、住み心地を左右します。打ち合わせのときに、換気本体・給気口・分電盤などの位置と、その部屋の使い方をセットで確認しておくと、こうした後悔を減らせるはずです。
フィルター掃除は、めんどくさい
第1種・熱交換型の換気で、あらかじめ知っておきたいのが、お手入れの手間です。
ピュア24セントラルは、外気を取り込むフィルターや本体内部にほこりがたまります。また、フィルターの前には虫を捕集するネットがあり、これらの定期的な掃除が必要になります。掃除を怠ると、換気の効率が落ち、最悪の場合は故障に繋がるということで、私もめんどくさいと思いながらも欠かすことなく実施しています。
掃除の目安は、取扱説明書ではおおむね60日(2か月)に1回とされています。2か月使うと、スイッチのお知らせランプが点灯するので、忘れることはありません。
ピュア24セントラルは、外気を取り込む設備の性質上、捕集ネットには結構な数の虫の死骸がたまっています。おそらく多くの人が初見で驚くと思いますし、虫がニガテな方は要注意です。この虫の死骸を除去する作業を私は室内でやりたくないので、庭の立水栓までネットを持って行って水洗いするのですが、ネットやフィルターを機械から分解する際に、死骸が頭から降ってきたりして、控えめにいって最悪です。しかも前述のとおり本体が1階・2階に2台あるので、さらにテンションが下がります。
高捕集率タイプのフィルターが高い
外気を取り込むフィルターは約2年で交換が必要で、2つのグレードがあります。
標準タイプ(ピュア24 給気清浄フィルター)
花粉やほこり、PM2.5に対応する標準的なフィルターで、価格はおおむね5,300円程度(税込)とされています。
高捕集率タイプ(ピュア24 静電HEPAフィルター)
より細かいPM0.5の粒子にも対応する上位フィルターで、価格はおおむね24,800円程度(税込)とされています。標準タイプと比べると、ざっくり4倍ほどの値段です。
参考までに、我が家は今、新生児がいることもあって、空気のきれいさを優先して高捕集率タイプ(静電HEPA)を使っています。花粉症でも家の中で症状が出にくいのは、このフィルターの効果もあると感じます。ただ、正直なところ値段は高めです。価格差が大きいので、次回の更新時には標準タイプ(PM2.5対応)を使ってみようと思います。その際は、使い心地もあらためてご報告したいと思います。
電気代と運転音について
24時間動かし続ける設備なので、電気代や運転音が気になる方もいると思います。まず電気代を、消費電力から計算してみます。メーカー(東プレ)の公表値では、1ユニットを1日24時間・1か月運転したときのランニングコストは約226円(50Hz運転時の消費電力をもとに、31円/kWhで算出)とされています。ここから逆算すると、消費電力は1ユニットあたりおよそ10W程度です。我が家は1階・2階に1台ずつ、計2台あるので、合わせても常時20W前後ということになります。
これを今の電気料金の目安単価(1kWhあたり31円)で計算すると、2台分で1か月あたりおよそ450円前後、1年でおよそ5,400円ほどになる計算です。風量の設定や周波数(東日本か西日本か)によって多少前後しますが、つけっぱなしでもこの程度におさまる、小さな消費電力の設備だといえます。参考までに、我が家でも換気システムが家計に大きく響いていると感じたことは特にありません。常時動かすことを前提に、電気代を抑えて設計されているためだと思います。
一方で、運転音は意外と大きいというのが正直な感想です。とくに静かな時間帯や、本体に近い場所では動作音が気になることがあります。もし本体(または給気口)が寝室の近くに来る場合は、音が気になる可能性が高いと思うので、間取りの段階で本体の位置を意識しておくとよさそうです。なお、換気量はリモコンのスイッチで切り替えられるので、どうしても音が気になるときは、夜だけ換気量を下げるという使い方も一つの手です。ただし換気量を絞りすぎると本来の役割が弱まるので、下げすぎないようにするのが前提です。
まとめ
ピュア24セントラルは、窓を開けなくても空気がきれいに保たれ、虫や花粉が室内に入りにくいという良さを実感できる設備です。花粉症でも家の中なら症状が出にくいのは、ありがたいところでした。一方で、本体の位置によっては脱衣所などが寒く感じること、フィルター掃除がおおむね2か月ごとに必要で本体が2台ある分の手間がかかること、フィルターには虫の死骸が集まりやすいこと、運転音が意外と大きいことなど、知っておきたい点もあります。
とはいえ、どれも「知っていれば備えられる」ことばかりです。これから採用する方は、換気本体・給気口・分電盤などの位置を、部屋の使い方(脱衣所や寝室など)とあわせて確認しておくこと、花粉や小さな子どもへの配慮で高捕集率フィルターを使うか、費用とのバランスで標準タイプにするかを考えておくこと、そして2か月ごとのフィルター掃除がある程度の手間になると理解しておくこと。この3点を押さえておけば、上手に付き合っていける設備だと感じています。空気は毎日のことなので、仕組みを知って納得して選べると、暮らしの満足度も変わってくると思います。
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