キッチンには、コンロやシンクのほかにも、「あると暮らしが変わる」設備がいろいろあります。食洗機、タッチレス水栓、浄水器。それに、シンクや天板の素材、背面の収納も、毎日の使い心地にじわじわ効いてきます。

うちのキッチンはLIXILの「リシェルSI」で、天板はセラミックにしました。深型の食洗機とタッチレス水栓も付けています。

この記事では、実際に使ってみたり、検討したりして感じたことをもとに、キッチンまわりの「あると違う」設備をまとめます。

食洗機は、後片付けがぐっとラクになる

食洗機は、付けてよかった設備のひとつです。手で洗う手間が減るのはもちろん、食後の時間に余裕ができます。

うちは容量の大きい深型にしました。一度にたくさん入るので、家族分の食器も調理道具もまとめて洗えて、洗い物がたまりません。共働きや子育て中の家ほど、効果を感じると思います。

食洗機には、国産のビルトインタイプと、容量の大きい海外製があります。国産は使い慣れた操作とサポートの受けやすさ、海外製は一度に入る量の多さが魅力です。手洗いより水を使わないこともあるので、節水にもなります。選び方は食洗機は深型が正解かにくわしく書いています。

タッチレス水栓は、毎日の小さな快適さ

もうひとつ、うちが「付けてよかった」と思っているのがタッチレス水栓です。

手をかざすだけで水が出るので、手が汚れていても蛇口に触らずに済みます。肉や魚を触った手で蛇口をひねらなくていいのは、衛生面でもうれしい。蛇口まわりが汚れにくいので、掃除もラクです。

節水にもなります。こまめに止めやすいので、洗い物の間に水を流しっぱなしにしにくいんです。毎日何十回も使う部分なので、こういう「使うたびにちょっと快適」な装備は、満足度が高いです。

浄水器は、使い方しだいで価値が変わる

浄水器は、水をよく飲む家や、料理に使う水にこだわりたい家なら、価値を感じやすい設備です。蛇口に組み込むタイプや、ビルトインで本格的に浄水するタイプなどがあります。

ただ、カートリッジの交換にずっとお金がかかるので、どれくらい使うかを考えて選ぶのがいいと思います。

あまり使わないなら、無理に付けずに、あとから付けられるタイプにするのもアリです。ビルトインタイプは見た目がすっきりする反面、交換カートリッジの手に入りやすさや値段も含めて、長く使う前提で考えておくと安心です。

シンクのエンボス加工は、傷と音が気になりにくい

ステンレスのシンクは、表面に細かい凹凸をつけた「エンボス加工」を選べることがあります。地味な仕様ですが、毎日使うシンクだからこそ、差を感じやすいところです。

良いところは、まず傷が目立ちにくいこと。つるつるのステンレスは、食器や鍋がこすれた傷が光の加減で目立ちやすいのですが、凹凸があると細かい傷がまぎれて気になりにくいと言われています。

表面に少しクッション性が出るので、食器を落としても割れにくい、水や熱湯を流したときの音が静か、という声もあります。子どもが洗い物を手伝ってくれる家なら、安心材料になりそうです。

一方で、気をつけたいところもあります。凹凸の溝に汚れや水垢が入ると、つるつるのシンクより落としにくくなりがちです。とくに水道水のミネラルでできる白い水垢は、凹凸にそって筋のように残りやすいので、使ったあとに軽く拭いておくと、きれいが続きます。

それから、研磨剤入りの洗剤や硬いたわしで強くこすると、凹凸そのものが削れてしまって元に戻せません。つるつるのステンレスなら磨き直しで傷が取れることもありますが、エンボスは付け直せないので、掃除はやわらかいスポンジと中性洗剤が基本です。

天板をグレードアップするという選択

キッチンの天板(ワークトップ)は面積が広く、キッチン全体の印象を左右します。標準ではステンレスや人造大理石が多いですが、グレードを上げてセラミックの天板を選ぶこともできます。

うちは、LIXILの「リシェルSI」で、セラミックの天板にしました。

セラミックは高温で焼き固めた素材で、熱・傷・汚れに強いのが持ち味です。熱い鍋やフライパンを直接置いても変色しにくく、表面が硬いので金属でこすっても傷がつきにくい。調味料をこぼしても染みこみにくく、さっと拭くだけで済みます。焼き物ならではの質感で、見た目に高級感が出るのも選ぶ理由になりやすいところです。

ただ、良いことばかりではないので、正直に書いておきます。

まずお金。天板をステンレスや人造大理石からセラミックに替えると、サイズや形にもよりますが、だいたい10万円以上追加になることが多いようです。カップボード側の天板もそろえると、さらに上がります。

それから、セラミックは硬いぶん、置いたガラスや陶器の方が傷ついたり欠けたりすることがある、という声もあります。ザラッとしたマットな色を選ぶと、その傾向が出やすいようです。焼き物なので、製品によっては色や柄に個体差(焼きムラ)が出ることもあるそうなので、気になる人はショールームで実物を見ておくと安心です。

うちは納得して選びました。でも、この金額に見合うかどうかは、家ごとの優先順位次第だと思います。

背面の全面収納で「片付く家」に

意外と後悔しやすいのが、収納の量です。とくにリビングとつながったLDKでは、リビングの収納が足りなくなりがちです。子どもがいると、おもちゃや学校の物、書類などであふれます。

そこで考えたいのが、キッチンの背面に、床から天井近くまでの全面収納(トールタイプ)をつくることです。

全面収納の良いところは、なんと言っても収納量。食器・調理家電・食材のストックをまとめてしまえるうえ、ダイニング側に収納を向ければ、リビングやダイニングで使う物の置き場にもなります。床や作業台に物が出ていない状態を保ちやすく、散らかりにくくなります。

床から天井まで収納にすると、かえって壁のように見えて圧迫感が出にくい、という意見もあります。引き戸で隠せるタイプなら、急なお客さんのときもさっと目隠しできて便利です。

一方で、計画のときに押さえておきたいこともあります。よくある後悔は「収納が足りない」より、「通れない・開けられない・置けない」の3つだと言われています。

通路の幅を取る:キッチンと背面収納の間の通路は、1人で使うなら80〜90cm、2人で並ぶなら100〜120cmくらいが目安です。冷蔵庫の扉や引き出しを開けたときに、ぶつからないかも確認してください。

家電とコンセントの場所を先に決める:炊飯器や電気ケトルなど湯気が出る家電は、収納の中に閉じこめると湿気がこもります。スライド棚で前に引き出せるようにするか、置き場所を工夫してください。家電の数に対してコンセントが足りないと延長コードでごちゃごちゃするので、間取りの段階で位置と数を決めておくと安心です。

「見える収納」になることを意識する:対面キッチンの背面収納は、リビングから丸見えになりやすい場所です。中身が見えると生活感が出るので、隠したい物が多い家は扉付きにする、カウンターに物を置きっぱなしにしないよう別に置き場を決めておく、といった工夫をしておくと、きれいが続きます。

なお、背面収納は一度つくり付けると、家電や家具の配置を変えにくくなります。将来の暮らしの変化も少し想像しながら、しまう物をある程度決めてから計画するのがおすすめです。

そのほか、考えておきたい工夫

ここまでの設備のほかにも、キッチンを快適にする工夫はいろいろあります。うちの経験から、考えておく価値があると思うものを挙げておきます。

手元のコンセント:設備ではありませんが、調理家電を使うなら、手元のコンセントは多めにあるとかなり便利です。

ゴミ箱の置き場所:分別用のゴミ箱は場所を取るので、置き場所を最初に決めておくと動線がすっきりします。

キッチンの「あると違う」設備は、食洗機やタッチレス水栓のように毎日の手間を減らすものから、浄水器のように使い方しだいで価値が変わるもの、シンクや天板のように素材で使い心地と見た目が変わるもの、背面収納のように家全体の片付けやすさに効くものまで、いろいろです。

「家事のどこをラクにしたいか」「何を見せたくないか」。この2つを基準に、効果を感じやすいものから優先順位をつけて選んでみてください。うちなら、まず深型食洗機とタッチレス水栓です。


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