トヨタホーム 住みごこちのリアル
家づくりの最初のほうで、木造にするか鉄骨にするかで迷う方は多いと思います。参考までに、我が家はトヨタホームの「シンセ・スマートステージ」という鉄骨ラーメンユニットの家です。住んでみると、良いと感じる場面もあれば、建てる前にもう少し知っておきたかったな…という点もありました。これから検討される方の判断材料になればと思い、住みごこちを正直にまとめてみます。
~この記事の内容~
鉄骨ラーメンユニットは、どんな構造なのか
鉄骨ラーメンユニット構造は、太さ125mmほどの鉄骨柱で組んだ箱型のユニットを、現場で積み上げていく工法です。建物のおよそ85%を工場で生産するとされ、現場での天候や職人さんの腕によるばらつきが出にくいことを特徴として挙げています。なお「ラーメン」は食べるほうではなく、ドイツ語で「枠」を意味する言葉で、柱と梁をかっちり固定した門型のフレームのことを指します。
この構造の強みは、柱を増やさずに大きな空間や開口をつくりやすいことです。トヨタホームのワイドスパン工法では、途中に柱を入れずに最大35畳ほどの大空間がつくれるとされています。我が家のLDKも約18畳を一続きにしていますが、途中に柱の出っ張りがなく、家具のレイアウトで困ったことは今のところほとんどありません。
工場でつくることのメリット
ユニット工法のわかりやすい利点は、構造の主要部分が屋根のある工場で組み立てられることです。木材や鉄骨が雨ざらしになる時間が短く、現場での作業日数も比較的短く収まりやすいとされています。我が家のときも、基礎ができたあとのユニット据え付けは1日で一気に家の形になり、見ていて少し驚いた記憶があります。雨の多い時期に建てる方にとっては、構造体が濡れにくいのは安心材料のひとつだと思います。
ユニット工法ならではの制約もある
一方で、箱型のユニットを組み合わせる以上、まったく自由自在というわけではありません。ユニットの大きさには規格があり、また工場から現場までトラックで運ぶため、極端に変形した間取りや、搬入経路が狭い土地では制約が出ることもあります。我が家は標準的なユニットの組み合わせで素直なプランにしたため大きな不便はありませんでしたが、「どんな形でも自由」というより「規格を上手に組み合わせて広く使う」工法だと理解しておくと、打ち合わせのイメージがずれにくいと思います。
住んでみて、これは良かったと感じる点
一番ありがたいのは、やはり開放感のある空間です。リビングとダイニング、キッチンをひと続きにしても、視界をさえぎる柱や下がり壁が少なく、実際の畳数より広く感じます。窓も大きめにとれるので、日中は照明をつけずに過ごせる時間が長いのは、住んでから実感した良さでした。
地震への安心感も、暮らしの安心につながっています。我が家は耐震等級3(数値が大きいほど地震に強いとされる最高等級)で建てており、近年の地震でも、家のなかで不安を感じる揺れ方をしたことは今のところありません。もちろん等級だけで安全が約束されるわけではありませんし、揺れの大きさや地盤によって体感は変わります。それでも、日々の安心材料のひとつにはなっていると感じます。地震や災害への備えという観点では、災害に強い家を建てるためのポイントもあわせて参考にしてみてください。
正直なところ、気をつけたいのは断熱
逆に、住む前にもっと意識しておけばよかったと思うのが断熱です。鉄は木にくらべて熱を通しやすい素材で、外気の影響を受けやすいとされています。そのため鉄骨の家では、断熱材のグレードや窓まわりの仕様が、住みごこちをかなり左右します。「鉄骨は丈夫そうだから暖かいだろう」というイメージとは、少し違うところです。
冬の体感|足元のひんやりは残る
我が家は壁の断熱を高断熱の仕様にし、窓は複層(ペア)ガラスにしています。それでも冬の朝、窓ぎわや足元がややひんやりすると感じる日はあります。暮らせないほどではなく、エアコンをつければ十分あたたまりますが、「鉄骨だから何もしなくても暖かい」ということはないんだな、というのが正直な感想です。体感は地域や断熱仕様、間取りによっても差が出るので、あくまで我が家の一例として受け取ってください。
夏は窓からの日射対策が効く
夏については、壁よりも窓から入る日差しの影響のほうが体感に響くように思います。我が家では、日差しの強い窓に外付けのすだれやシェードを使うようにしてから、昼間の暑さの入り方がやわらいだ感覚がありました。鉄骨だから特別に暑い、というよりは、窓まわりの日射対策をしているかどうかで夏の快適さが変わる、という印象です。
結露のしやすさにも気を配りたい
熱を通しやすいということは、冬に窓や壁の表面が冷えやすく、条件によっては結露が出やすいということでもあります。我が家でも、寒い朝に窓ガラスの下のほうがうっすら曇ることはあります。こまめな換気や、加湿のしすぎに気をつけることで、ある程度は抑えられています。結露を放置するとカビにつながりやすいので、気になる方は結露・カビ対策もあわせて確認しておくと安心です。
これから建てる方には、断熱材のグレードと窓を、予算の都合で最初に削らないことをおすすめしたいです。あとから足すのが難しい部分なので、ここはしっかり確認しておくと、冬の体感が変わってくると思います。光熱費の実際については、入居後の電気代の実績もあわせてご覧ください。
2階の音はどう伝わるか
音の伝わり方も、鉄骨の家で気になりやすいところだと思います。我が家は2階の床に遮音性を高めた床(TAFと呼ばれる高性能遮音床)が入っていて、1階で過ごしているときに、2階の生活音が極端に気になることはありません。テレビの音や会話くらいであれば、下の階でほとんど意識しないレベルです。
とはいえ、子どもが走る足音やジャンプのような振動は、ゼロにはなりません。空気を伝わる音は抑えられても、床を直接たたくような振動は完全には消えない、というのが住んでみての実感です。「まったく無音になる」と期待しすぎず、「生活音はかなり軽くなる」くらいに考えておくと、入居後のギャップは少ないはずです。
気になる人が多い、鉄骨のサビと価格のこと
鉄骨と聞くと、サビを心配される方もいると思います。住宅用の鉄骨にはあらかじめ防錆処理がされているのが一般的で、入居して数年の範囲で、我が家が錆を心配するような場面はありません。ただし、構造そのものは長く付き合うものなので、定期点検やメンテナンスの内容は、契約前に確認しておくと安心だと思います。
価格については、一般論として鉄骨は木造より坪単価が高めになりやすいとされています。差額は会社や仕様、延床面積によって大きく変わるため、ここで「いくら高い」と断定はできませんが、同じ広さなら木造より総額が上がりやすい傾向は頭に入れておくとよいと思います。そのぶん大空間や構造の安心感にコストをかけている、と考えると納得しやすいかもしれません。
鉄骨で建てるか迷っている方へ
まとめると、鉄骨ラーメンの家は、大きな空間と地震への安心感が得やすい一方で、断熱まわりはきちんと手当てしておかないと、冬にひんやりを感じやすい、というのが住んでみての実感です。どちらが良い悪いというより、「強みを活かしつつ、弱点になりやすいところを仕様で補う」という考え方で打ち合わせを進めると、後悔が少なくなると思います。
具体的には、断熱材と窓は妥協しない、日射対策と換気をセットで考える、点検やメンテナンスの内容を契約前に確認しておく。この3つを押さえておくと、鉄骨の良さを活かしながら、住みごこちの面でも満足しやすいのではないかと思います。我が家の一例が、構造選びで迷っている方の参考になればうれしいです。
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