連続で20記事分家づくりの工程のなかでも、印象に残っているのが「据え付け」の日です。参考までに、我が家は鉄骨ユニット工法で建てたのですが、基礎の上に箱型のユニットがクレーンで載っていき、1日でほぼ家の形になりました。工場でつくる家ってどういうこと?という方に向けて、当日の流れと見ていて感じたことをまとめてみます。

そもそも「ユニット工法」とは

ユニット工法は、鉄骨で組んだ箱型のユニットを工場であらかじめ作り、現場で組み上げていく建て方です。住宅部材のおよそ85%を工場で生産するとされていて、壁や床、配線の一部まで工場で取り付けた状態で運ばれてきます。現場での作業は「ユニットを正確に据えて、つなぐ」ことが中心になるため、組み上がりが早いのが特徴です。

採用されているのは鉄骨ラーメン構造です。「ラーメン」はドイツ語で枠を意味する言葉で、柱と梁をかっちり固定した門型のフレームのことを指します。この丈夫な枠でできた箱を積み重ねるイメージなので、構造としての安定感はイメージしやすいと思います。柱と梁を溶接で一体化させて変形しにくい「枠」をつくることで、地震の力を構造全体で受け止める考え方です。

据え付け当日の流れ

ここからは、我が家の据え付け当日の流れを時系列でご紹介します。あくまで一例ですが、当日のイメージをつかむ参考になればと思います。

8:00 現地集合

朝、現地に着くと、何台ものトラックが集結していました。これだけの数のユニットがこれから一軒の家になるのかと思うと、始まる前から少し感動しました

8:30 朝礼と施主挨拶

作業前の朝礼があり、施主からも一言ご挨拶をしました。職人さんたちにこれからお世話になる、という気持ちが引き締まる時間でした

8:30〜10:30 1階の組み立て

クレーンでユニットを一つずつ吊り上げて据えていきます。見ているうちに、あっという間に1階部分が組み上がっていきました

10:30 休憩・お茶の差し入れ

いったん休憩が入り、お茶を差し入れしました。参考までに、我が家のときは冬でしたが、たまたま暖かい日にあたって助かりました。屋外で長時間の作業になるので、季節に応じた差し入れができるとよさそうです

10:30〜12:00 2階の組み立て

午前の後半で2階部分まで組み上がりました。基礎だけだった場所に、ぐんぐん建物が立ち上がっていく様子は見ごたえがありました

13:00〜14:30 屋根の取り付け、クレーン引き上げ

午後は屋根を取り付け、主要な作業が完了。クレーンが引き上げていきました

14:30〜15:30 屋内の確認

自分も家の中に入れてもらい、できあがったばかりの空間を見て回りました。朝は基礎だけだった場所が、その日のうちに歩いて確認できる「家」になっているのは、やはり感動的でした

朝はまだ基礎だけだったのが、夕方には壁と屋根のある「家」になっているので、見ていて少し驚きました。木造の在来工法だと、柱を建てて屋根をかけるまでに数日かかることも多いので、このスピード感はユニット工法ならではだと思います。

作業が早いことには、見た目のインパクト以上の意味もあります。構造の主要部分が外気にさらされる時間が短いため、木材や鉄骨が雨に濡れにくいのです。屋根の防水まで1日で終わるため、構造体が濡れるリスクが小さいとされています。雨の多い時期に建てる方にとっては、地味ですが安心できるポイントだと感じました。

工場でつくることの、安心と割り切り

工場生産のわかりやすい利点は、品質が安定しやすいことです。屋根のある工場で、決まった手順と検査のもとに作られるため、現場の天候や職人さんの当たり外れによるばらつきが出にくいとされています。実際に住んでみて、建て付けや精度の面で大きな不満を感じたことはありません。

一方で、工場でつくる以上、ユニットの大きさには規格があり、まったく自由な形が作れるわけではありません。間取りに一定の制約が出やすいのは、ユニット工法の割り切りどころだと思います。また、工場から現場までトラックで運ぶため、道幅が狭い土地やクレーンが入りにくい立地では、搬入の段取りに工夫が必要になることもあります。我が家は比較的素直な土地だったため問題ありませんでしたが、土地の条件によっては事前の確認が大事になります。

据え付けの日に、見ておくとよいこと

据え付けは一生のうちでそう何度も見られるものではないので、可能なら立ち会って写真や動画を残しておくのがおすすめです。完成後は壁の中に隠れてしまう構造や配線も、この時期なら見えることがあります。あとから「ここはどうなっていたんだろう」と気になったとき、記録があると役立ちます。立ち会いの差し入れについては上棟の差し入れもまとめているので、参考にしてみてください。

まとめると、ユニット工法は「工場で精度よく作って、現場で素早く組む」家づくりです。スピードと品質の安定は大きな魅力で、雨に濡れにくいのも安心材料です。そのぶん、規格や搬入の制約は事前に押さえておく、という心づもりでいると、打ち合わせのイメージがずれにくいと思います。これから建てる方の参考になればうれしいです。


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