新築マイホームの間取りを考えるとき、世代を問わず話題になるのが「和室は必要かどうか」です。

「子どものお昼寝に便利」「来客の宿泊用に」という肯定派もいれば、「結局使わなくなる」「メンテナンスが大変そう」という慎重派もいて、意見が分かれやすいところです。参考までに、我が家も建てるときには最後まで悩みました。

今回は、実際に住んでみてわかった和室まわりのリアルを、できるだけ率直にご紹介します。これから検討される方の判断材料になればと思います。

我が家が選んだのは「畳コーナー」でした

先に我が家の選択をお伝えすると、独立した和室は作らず、リビング横に4.5畳の畳コーナーを設けることにしました。具体的には、次のような仕様にしています。

  • 段差をつけないフラットな畳コーナーにして、リビングとの一体感とつまずきにくさを優先しました
  • 引き戸を設けて、必要なときには半個室として使えるようにしています
  • 押入れや床の間はあえて設けず、シンプルな仕様にとどめました

結果として、この選択は我が家の暮らし方には合っていたと感じています。理由はこのあと順を追って書いていきます。

そもそも和室は何に使うのか

新築時に和室の用途として想定されることが多いのは、おおむね次の5つです。

  • 子どものお昼寝や遊び場として使う
  • 来客が泊まるときの寝室にする
  • 親(祖父母)が滞在するときの部屋にする
  • 仏壇の置き場所にする
  • アイロンがけや洗濯物をたたむ家事スペースにする

このうち、子どもが小さいうちに頻度が高くなりやすいのは1番目の子ども関連の用途です。ただしここは注意したいところで、子どもの成長にともなって数年で用途が大きく変わっていきます。「今の使い方」だけで広さや仕様を決めると、あとで持て余す可能性がある、という点は頭に入れておくとよさそうです。

独立和室のメリットとデメリット

メリット

  • 扉で仕切れる独立空間なので、来客対応や宿泊に向いています。生活感のあるリビングを通さずに通せるのは利点です
  • 独立している分、隣室への音が伝わりにくく、寝室や来客用として落ち着いて使えます
  • 床の間や仏間を整えれば、法事や来客時のフォーマルな場として様になります

デメリット

  • 子育て期を過ぎると使う場面が減りやすく、用途が見つからないまま空きがちになることがあります
  • 畳の種類によっては、定期的な手入れや畳表の張り替えといったメンテナンスの手間とコストがかかります
  • リビングから独立している分、家族が自然と集まりにくく、こもると気配が分かりづらい面があります
  • 一定の面積を取るわりに使用頻度が低くなりやすく、面積あたりの満足度が下がることがあります

畳コーナーのメリットとデメリット

メリット

  • リビングの延長として日常的に使えるので、「特別なときだけ使う部屋」になりにくいです
  • 段差をなくせば、小さな子どもや高齢の家族にとってもつまずきにくく、移動の負担が少なくなります
  • やわらかい畳の上は、子どもの遊び場やお昼寝の場所として使いやすいです
  • 引き戸を付けておけば、来客時など必要な場面では半個室として仕切ることもできます

デメリット

  • 完全に独立した空間ではないため、音やにおいはリビングと共有することになります
  • 床の間や仏間としての正式な雰囲気は出しにくく、フォーマルな用途には物足りなさが残ります
  • 独立性が低い分、来客が落ち着いて泊まる用途にはやや不向きです

我が家での使い方の移り変わり

参考までに、我が家の畳コーナーは時期によって使い方が変わってきました。

  • 入居して1〜2年目は、子どものハイハイやお昼寝の定位置として使っていました
  • 3〜4年目になると、おもちゃを広げて遊ぶスペースとして活躍しました
  • 現在は、家族でごろ寝したり、アイロンがけをしたりする多目的なスペースになっています

振り返ってみると、用途が変わりながらも日常的に使い続けられているのが、我が家にとっては合っていた点でした。独立和室だと「使わない時期」が生まれやすいのに対して、リビングの一部として常に目に入る場所だと、自然と何かしらの用途で使うことになります。

畳の素材は3種類。手入れのしやすさで選ぶと迷いにくい

畳の素材は、大きく分けてイグサ・和紙・樹脂の3種類があります。それぞれ性格が違うので、特徴を整理しておきます。

  • イグサ畳:昔ながらの天然素材で、独特の香りや風合いが魅力です。一方で、こまめに手入れをしないと変色やカビ・ダニにつながりやすいとされ、ほかの素材に比べると手間がかかる面があります。価格は1畳あたり5,000円程度からが目安とされます
  • 和紙畳:和紙をこより状にして樹脂でコーティングした素材です。紫外線による変色やカビ・ダニに比較的強く、撥水性もあるため手入れがしやすいとされます。耐久性はイグサ畳のおよそ3倍ともいわれますが、価格はイグサ畳の2倍程度が目安になります
  • 樹脂畳:ポリプロピレンなどでできた素材で、3種類のなかでは色あせや傷に強いとされ、水拭きもしやすいのが特徴です。介護施設や飲食店でも使われるなど、耐久性と手入れのしやすさを重視する場面に向いています

小さな子どもがいる家庭では、手入れのしやすさや傷・色あせへの強さから、和紙畳か樹脂畳を選ぶケースが多いようです。どちらもカラーバリエーションが豊富で、洋風のインテリアにもなじみやすいとされます。ただし、香りや本来の風合いを大切にしたい方にはイグサ畳が向いている面もあるので、何を優先するかで選ぶとよさそうです。

仏壇や床の間が必要な場合は独立和室も検討を

宗教的な事情やご先祖との関係で、仏壇や床の間をきちんと設けたい家庭では、独立和室を検討する価値があります。その場合の目安として、次のような構成が考えられます。

  • 広さは4.5畳から6畳ほどを確保する
  • 床の間と仏間を独立して配置し、落ち着いた空間にする
  • 来客対応や宿泊も兼ねられるよう、独立性を確保しておく

なお、親との同居や将来的な同居の可能性を見据えるなら、6畳以上を確保しておいたほうが安心です。寝具や生活用品を置くスペースを考えると、4.5畳ではやや手狭に感じることがあるためです。

ありがちな後悔|独立和室が「使われない部屋」になる

マイホームの失敗・後悔事例6選でも触れていますが、独立和室には次のような後悔のパターンがあります。

  • 気づけば衣類や段ボールの物置になってしまった
  • 客間専用にしたものの、年に数回しか使っていない
  • 子どもの成長で当初の用途がなくなり、使い道に困っている

「作ったけれど使わない部屋」があると、面積や費用をかけたわりに活かしきれず、家全体の満足度を下げてしまうことがあります。これを避けたい場合の選択肢として、日常的に使いやすい畳コーナーは検討する価値があると感じています。

「あえて作らない」という選択も増えています

近年は、和室や畳コーナーを設けない家庭も増えています。ある住宅メーカーの間取りデータをもとにした住環境研究所の調査では、和室・畳コーナーのない住宅の割合が、2018年度の28.0%から2022年度には49.7%へと増えたとされています。背景には、限られた面積を効率よく使いたいというニーズの高まりがあるようです。

和室を作らない場合、それぞれの用途は次のように代替できます。

  • 子どもの遊び場は、リビングにラグやプレイマットを敷いて代用する
  • 来客の宿泊は、エアマットレスや布団を出して対応する
  • 仏壇は、設けないか、リビングの一角に置く形にする

ライフスタイルによっては、和室がなくても日常で困らないという家庭も少なくありません。和室の有無は「一般的にどうか」よりも、自分たちの暮らし方に必要かどうかで判断するのがよさそうです。

まとめ|現実的な落としどころは「畳コーナー」

ここまで整理してきたとおり、子育て世代にとっては「独立和室まではいらないけれど、畳のスペースは欲しい」という場合に、畳コーナーがちょうどよい落としどころになりやすいと感じています。リビングの延長として日常的に使えて、子育て期を過ぎても用途を変えながら使い続けやすいのが理由です。

とはいえ、仏壇や床の間が必要だったり、親との同居を見据えていたりする場合は、独立和室のほうが合うこともあります。これから家を建てる方は、家族のライフスタイルと将来像を踏まえて、独立和室・畳コーナー・和室なしの3つから、自分たちに合うものを選んでみてください。


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