マイホームを計画するとき、「書斎が欲しい」と考える方は少なくありません。一方で、近年は0.5〜1.5畳ほどのコンパクトなワークスペースを間取りに取り入れるケースも増えており、「書斎までは要らないかも」と方向転換する方もいます。

ただ、それでもやっぱり「個室の書斎が欲しい」という気持ちが消えない方もいるのではないでしょうか。この記事では、書斎を作ることを前提に、サイズ・設備・配置など後悔しないための計画のポイントをまとめました。

書斎・ワークスペースの比較

この記事でいう書斎とは、ドアや壁で仕切られた独立した個室のことで、一般的には1.5〜3畳程度の専用部屋を指します。

一方、ワークスペースとは、リビングの一角や廊下の端など、間仕切りのないオープンな作業スペースのことです。0.5〜1.5畳程度の小さなスペースでも確保でき、面積効率が良いのが魅力です。

どちらも主にデスクワークを目的として使われる点は共通していますが、書斎にはワークスペースにはない魅力があります。

書斎の魅力 3選

Web会議に集中できる

在宅ワークで特に困るのが、Web会議中の「音の問題」です。

オープンなワークスペースで会議をしていると、家族の声・テレビの音・子どもの泣き声などが相手のマイクに入ることがあります。逆に、会議の内容が家族に筒抜けになることへの気遣いも出てきます。「会議中に子どもが入ってきてしまって…」という経験は、在宅ワーカーの方なら一度は心当たりがあるのではないでしょうか。

個室書斎があれば、ドアを閉めるだけでこうした悩みをほぼ解消できます。Web会議の頻度が週に何度もある方にとっては、個室書斎の価値はかなり大きいと思っています。

趣味の部屋としても長く使える

書斎は在宅ワークだけでなく、趣味の部屋としても活用できます。読書・ゲーム・プラモデル・音楽など、「家族に気を遣わず自分のペースで楽しめる場所」として機能するのは書斎ならではのメリットです。

テレワークが減る時期が来たとしても、趣味や勉強の部屋として長く使い続けられるため、「作ったけど使わない」という状況になりにくいのも書斎の良いところです。

一人になりたいときの「逃げ場」になる

家族と過ごす時間は大切ですが、「ちょっと一人になりたい」と感じる瞬間は誰にでもあるものです。

書斎は仕事専用でなくても、気分を落ち着けたいとき・考えを整理したいときの「逃げ場」として機能します。家の中に「ひとりになれる場所」があることが、思った以上に精神的な余裕につながるものです。

書斎の計画方法

サイズ

個室書斎のサイズ別の目安です。

サイズ 使い方の目安
1.5畳 個室書斎の最小単位。デスク+椅子+小型本棚が収まる。Web会議も対応可能。
2畳 ゆとりのある作業環境。L字デスク・収納棚も置ける。長時間作業に向く。
3畳〜 本格的な書斎。複数モニター・ソファ・大型書棚も設置可能。

日常的な在宅ワークなら1.5〜2畳で十分対応できます。面積に余裕がない場合でも、1.5畳を確保することを優先して、設備や家具で使い勝手を補うのがおすすめです。

設備

書斎に必ず検討しておきたい設備は以下のとおりです。

  • コンセント:2口×2か所以上(PC・モニター・スマホ・デスクライト用)
  • 有線LAN:Web会議の安定性が大きく変わる。後から追加するのは大変なので、建設時に必ず入れておく
  • 照明:天井照明だけでなく、デスクライト用のコンセントも確保する
  • エアコン:密閉空間は熱がこもりやすい。小型エアコンの設置を検討する

特に有線LANは建設時に入れておくのが鉄則です。Wi-Fiでも日常使いには問題ないことが多いですが、Web会議が多い方・大容量ファイルを扱う方は有線のほうが安定します。床下や壁を通して後から追加するには費用も手間もかかるため、「必要かどうかは住んでから判断する」では間に合わないことがほとんどです。

書斎に窓を設けると、採光・換気の両面で快適性が上がります。ただし、窓の位置とデスクの向きによっては、モニターへの映り込みや逆光が気になることがあります。デスクの配置と窓の位置はあわせて検討しておきましょう。

方位は北側が安定した明るさを保ちやすく、直射日光が入りにくいのでモニター作業には向いています。南側は明るい分、日中の日差しが強すぎることがあるため、ブラインドやフィルムで対策が必要になるケースもあります。

クロス(壁紙)

書斎のクロスは、集中しやすい落ち着いた色合いを選ぶ方が多いです。

  • グレー系:目が疲れにくく、モダンな雰囲気に仕上がる
  • グリーン・ネイビー系:集中力が上がるとされるカラー。アクセントウォールとして1面だけ使うのも人気
  • 白・ライトグレー系:Web会議の背景として映りが良い

Web会議の背景を気にする方は、正面の壁をシンプルな白またはライトグレーにしておくのがおすすめです。バーチャル背景なしでも清潔感が出ます。

下地補強

書斎では後から壁に棚やモニターアームを取り付けたくなることがよくあります。建設時にデスク上部・正面の壁へ下地補強(合板補強)を入れておくと、後から自由に取り付けられるため便利です。

費用は1〜3万円程度のケースが多く、建設後に大工工事をするよりはるかに安く済みます。「使ってから必要か判断する」という考え方もありますが、後から「入れておけばよかった」と後悔しやすい箇所でもあるため、迷ったら入れておくことをおすすめします。

部屋の配置

書斎を配置する際に意識しておきたいポイントです。

  • 寝室の隣は避ける:深夜・早朝に作業する場合、音が伝わりやすい
  • トイレ・洗面所の近く:集中作業中に移動が少なくて済む
  • 道路・公園に面した側は避ける:窓を開けると外の音が入りやすい
  • 1階 vs 2階:1階は来客対応がしやすい。2階は生活音が少なく集中しやすいが、家族との距離感が生まれることも

書斎のおすすめ家具・家電3選

書斎を快適にする家具・家電を3点ご紹介します。いずれもAmazon・楽天でレビューが多く、在宅ワーカーのブログやSNSでも評判の良いアイテムです。

① FlexiSpot E7|電動昇降デスク

メーカー FlexiSpot(フレキシスポット)
価格帯 フレームのみ約51,700円〜 / 天板セット約66,000円〜(セール時3〜4万円台)
昇降範囲 58〜123cm(電動式)
対応天板サイズ 幅120〜210cm × 奥行60〜80cm
耐荷重 125kg
保証 5年保証

在宅ワークが続くと、長時間同じ姿勢での腰・肩への負担が積み重なります。FlexiSpot E7はボタン一つで座り・立ちを自由に切り替えられる電動昇降デスクで、姿勢を変えながら作業できるため疲れにくいと評判です。

雑誌『家電批評』の昇降デスク比較でも上位に選ばれており、Amazonや楽天のレビューでも「剛性が高くグラつかない」「メモリ機能で高さをワンタッチで呼び出せる」と高評価が続いています。天板を120×60cmで組み合わせれば、コンパクトな書斎にも設置可能です。Amazonのタイムセールでは約30%オフになることもあり、狙い目です。

② イトーキ サリダ YL9|ワーキングチェア

メーカー ITOKI(イトーキ)
価格帯 約33,000〜40,000円
背もたれ メッシュ素材ハイバック+ヘッドレスト付き
機能 体重感応式シンクロロッキング・アームレスト・座面昇降
保証 3年保証

「高機能なワーキングチェアが欲しいけれど、海外ブランドは予算的に厳しい…」という方にまず試してほしいのが、国内大手オフィス家具メーカー・イトーキのサリダ YL9です。3〜4万円台で購入できるにもかかわらず、体重に合わせて背もたれの反発力が自動調整される「体重感応式シンクロロッキング」を搭載しており、この価格帯では珍しい機能です。

ブログやレビューサイトでも「この価格でイトーキ製、コスパが高い」「半年使っても肩・腰が楽」と評価されています。メッシュ素材で蒸れにくく、アルミ脚でインテリアにもなじみやすい点も書斎向きです。

③ エルゴトロン LX|モニターアーム

メーカー Ergotron(エルゴトロン)
価格帯 約14,800〜19,800円(セール時あり)
対応モニターサイズ 最大34インチ
耐荷重 最大11.3kg
保証 10年保証

価格.comのモニターアーム売れ筋ランキングで長期にわたり上位をキープしているのがエルゴトロン LXです。独自のスプリング機構により、どの角度に動かしてもスムーズに動いてピタッと止まります。ガス式のように経年でスプリングが弱くなる心配がなく、10年保証という点も安心感があります。

安価なモニターアームは時間が経つとモニターがズレ下がってくるという声が多いため、長く使うことを考えると最初から定番品を選んでおくのが無難です。モニターを浮かせることでデスク上のスペースが広がり、ケーブル管理もしやすくなります。コンパクトな書斎でこそ効果を感じやすいアイテムです。

参考|我が家の書斎(3.5畳)

実際に3.5畳の個室書斎を使ってみての率直な感想をお伝えします。

「少し手狭かな」と感じる瞬間もあります。L字デスクを置くとそれなりにスペースを取るため、資料を広げての作業には少し窮屈さを感じることも。

ただ、コンパクトだからこそ「モノを置きすぎない」習慣がつくという利点もあります。3畳を超えてくると物が増えやすく、気づいたら物置になっていた…というケースも耳にするので、このサイズ感はある意味ちょうどよいのかもしれないと感じています。

個室書斎の目安としては、前述のとおり1.5〜2畳で十分な方がほとんどだと思います。3畳以上を検討する場合は、どう使うかをより具体的にイメージしたうえで決めるのがおすすめです。

まとめ

書斎は「贅沢品」と思われがちですが、在宅ワークが日常になった今の時代において、生産性と生活の質を守るためのスペースとして考えると、判断が変わるかもしれません。

面積に悩む場合でも、1.5畳あれば個室書斎は作れます。設備と家具にこだわることで、小さなスペースでも十分快適に使えます。建設時にしか入れられない設備(有線LAN・下地補強・コンセント)だけは、後悔のないよう早めに検討しておくことをおすすめします。

これから家を建てる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。


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